渚さんは床職人。

私は室内装飾床仕上げの職人をしています。女性職人になりたい方が増えているので、その方々の参考になればと思いつつ、日常をお伝えしたいと思っています。個別のメッセージはカテゴリーの自己紹介の中にある"問い合わせフォーム"からお願いします。

現場に合ったものを。

以前貼った防滑シートが浮いている、ということで行ってきました。

事前に元請けさんからは

「施工不良ではないっぽい。水が入ってるっぽい」

と言われていたので

直るかなぁ?

と悩みながら行ってきましたら

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はい、アウト!

廻りのシールを切ってめくり上げたら一面水だらけでシートもずっと水に浸かってたのでビッショビョです。

どこから来てる水なのかわかりません。

とりあえず屋根のない雨が当たるところはぶよぶよしています。

共用廊下も施工したのですが、階段から離れているところは雨が当たるところでも大丈夫でしたが階段の近くはダメです。

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どこから水が伝ってくるんだよー。と思ってたら下地の塗り床(改修工事でしたので既存の塗り床の上に施工)が膨れています。

ぶよぶよです。

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カッターで切ると大洪水。 そして塗り床がペロリンと綺麗にめくれました。

ダメだこりゃ、です。

住人さんがおられるマンションですのでそのままでは帰れず

応急処置で

塗り床めくってしまって下地乾かして

シートも乾かして

タキボンドの鼻先充填材(便利ですヨネー。)でおさめてきました。

元請けの内装屋さんは直せるなら今日、さっと直してもらおうと材料も持ってきてくださってたのですが、

原因がわかって解決しなければまた同じことになるのわかってますので

今日は使いませんでした。

内装屋さんもたくさん写真を撮って

工務店さんに説明に行かれたようです。

渚さんは上っ面にお客様が選ばれた材料を内装屋さんが用意してくれた糊で言われた場所に貼るのが仕事です。

当然、ほとんどが当日に現場に行って初めて見る現場で貼る材料もその日に見ます。

色や柄などはほとんど前情報にはありません。

もちろん当然のことながら、下地の下のことなどはわかりません。

その時にすでに塗り床の下に水がたまっていたのならば、わかるだろうけど、天気のいい日で水が引いていたらわかんないし。

そもそも塗り床の時はうまいこと水が抜けていたならば誰も気づかないし。

原因を解決してもらわないと貼れません。

と内装屋さんには説明をして

「そらそうです。工務店に言います。」

と言ってもらって帰ってきました。

しかし、どこから来てるかわかんない原因を解決できるのかなぁ?

そのあと、仲のいいクロス職人さんと話してたら

「人から聞いた話なんだけどね」って面白い話をしてくれました。

“昔、日本で流行ってたのは和紙でその頃の住宅には和紙が合っていたんだけど、その頃の住宅と比べると今の住宅は気密性も高い。 代わりに湿気やカビなども繁殖しやすい。 和紙はとてもいい材料で貼ってあると、とてもかっこいいんだけど、今の住宅には合っていない。 かっこいいから、とか、和紙は高いからいいに決まってる、とかで貼る場所に合ってないものを貼れば問題が出てくる。 和紙をどうしても貼りたいならば、和紙を貼れるような現場にしなくちゃいけない。 どこにでも、なんでも貼れるわけではないんだよ。

クロスしか知らないけれど、仮にその話(私の水湧いてる現場の話)がクロスとしたら

対策としては

水は止められないと思って通気性のいい天然素材をチョイスするね。

適材適所ってやつですわ。”

とのこと。

へー、なるほどー。です。

聞いていて、昨日の腰袋選手権で協賛メーカーさんの挨拶の中で、 SANGETSUの松尾さんが

「一年ほど前に自宅のクロスを貼り替えるとき、今までカビてたところに今回は硅藻土クロスを貼ったら、今もまだカビてない。」

というクロスで住宅を彩る、変える、住みやすくするという話をされていたのを思い出しました。

確かに今回、もしも磁器タイルを貼っていたら問題もなかったし、多分人工芝貼ってたら問題なかったと思うのよね。

今回の話は関係ないけれど

渚さんはかねてより

内装屋さんには煙たがられてますけど

知識のない内装屋さんが多いって声を高らかと上げています。

貼るもの、下地、副資材、金物、お客様の希望など

その現場に見合ったもののチョイスやアドバイスをするのが内装屋さんだと思っています。

無理やろ、ってことを

「できます。させます。」って答える方もおられますし当日来てビックリすることがたくさんあります。

職人に無駄な責任と負担をかけてほしくないなぁと思っています。

職人は貼りに来ているのですから。

それでなくても現場には魔物が棲んでいるので 今回のように どうしても問題が起こるときもたくさんありますし、そのときは一緒に解決しますけれど

知識があれば、その気があれば事前にわかる問題は取り除けるはずですし。

しゃーないやん、と当たり前にならないでほしいなぁと思ってます。

綺麗に仕上がる下地の状態、材料や副資材の選定をしてもらうためには知識が必ず必要です。

当日に職人から言われて

「あー、そうか~。どうしよかー?」

って言っていたら遅いのです。

その時点で職人に責任を押し付けているのです。

今回の水湧いてた事はもちろん、事前にわかんないし、仕方のないことですけどね。

貼らないから、貼れるやつを呼んでるんだから、という方もたくさんおられますし

そういう人が反論できないように、

知らない人にもわかるように伝えるために

職人も知識と経験を積んでおかないといけないなぁと思いました。

内装屋さんと職人はいがみ合う敵同士ではありません。

お互いの目標は同じなんです。

「現場を綺麗に早く問題なく仕上げてお客様に喜んでもらうこと」

そのために職人はもちろん、仕事をとって来られる方の知識が必須です。

これから繁忙期に突入していきます。

ただでさえバタバタになってくるので、少しのつまづきが、あとあと大きくなっていきます。

お互いに気持ちよく仕事ができたらいいなぁと思います。

渚さんは床職人ですので 職人に偏った意見にはなりますけど

怒らないでねー。

↓立場によって意見はあるよね。の代わりに押してね。

立場が変われば気持ちも変わるからねー。

だけど、どの立場でも知識は必要だよね。

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